連想法を用いて企業や自分のイメージを良くする方法
心理学辞典
心理学の全領域および関連する隣接諸科学の用語・人名を解説した、心理学辞典。
事項4021項目、人名347項目を五十音順に配列。
各項目における引用・参照文献と主著を著者のアルファベット順に配列した文献リスト、索引(和文事項、欧文事項、和文人名、欧文人名)がある。
連想法によるイメージ戦略
イメージは重要である。
イメージは、企業だけでなく、人物にも当てはまる。
イメージという言葉は日本語にしづらいのだが、「印象」という意味だけでなく、「評判」とか「噂」などの意味も含まれるだろう。
「信用」と言ってもよいかもしれない。
つまり、良いイメージを勝ち取るということは、評判を良くする、製品の品質に信用がおかれる、一種のブランドと見なされる、ということと同じなのである。
だからこそ、企業はロゴマークを作ってみたり、「我が社はクリーンな会社です」といった宣伝を打ち上げることで、懸命にイメージ戦略をしているのである。
これは人間の場合も同様だ。
「あいつは仕事ができる」「あの上司は信頼できる」「時間に正確だ」などのイメージを他者に植えつけるために、人々はあれやこれやの手管を使っている。
ちなみに、日経連調査によると、新入社員がその会社を選ぶ一番の理由は「イメージが良かったから」(35.3%)だそうである。
こんなことは、もはやビジネスマンの常識であり、わざわざ取り上げる必要はなさそうに思われる。
だが、ちょっと待ってほしい。
あなたは、他人にイメージを良くする方法として、「具体的に」どんな方法を知っているのだろうか。
あるいはすでに実行しているのだろうか。
もし具体的な戦術について知らないなら、それはまったく無駄である。
「イメージを良くしよう」というのは確かに正しいことなのだが、具体的なやり方について知らないのなら、小学校の校長先生の訓話と同じではないか。
ビジネスマンに必要なのは無意味な抽象論ではなく、できるだけ具体的な戦略なのである。
企業にも人物にも応用できる、一番手っ取りばやい方法が「連想法」だ。
つまり、
すでに良いイメージを持たれているものと、自社(あるいは自分自身)を結び付けて提示する
るのである。
それだけで良いイメージがあなたに伝染することになる。
たとえば、現在では森林伐採への問題意識からか、人々は「自然」に大きな注意を払うようになってきた。
週末になると森林浴に行くという都会のビジネスマンも増えてきている。
そこで、自社のロゴ・マークの中に、「森林」に関連するものを使うのである。
エコ・マークの中にも木が使われているが、あのアイデアを少しだけ借用するわけである。
すると、それだけであなたの会社は、「環境問題への関心がある企業なのだな」というイメージを消費者に与えることができるばかりか、「自然派」「天然」といったイメージまでも与えることができるのである。
タバコを吸っている人なら誰でも知っている銘柄に、「マルボロ」がある。
今でこそ、マルボロのイメージは「西部開拓時代のアメリカ」であるが、もともとマルボロは女性用のタバコだったのをご存じだろうか。
ちょうど、現在の「セーラム」のような位置づけで、マルボロは市場に出されたのである。
もっとも、当時は女性の喫煙は今以上にいやがられた時代であるから、マルポロはさっぱり売れなかった。
そこでイメージを変える戦略として、「マルボロとカウボーイ」を組み合わせるパッケージに変更し、「マルボロは男の中の男が吸うタバコ」というイメージを与えたのだ。
もちろん、それ以来、マルボロが売れに売れたことは言うまでもない。
「テディ・ベア」に関連したイメージ戦略についてもご紹介しよう。
テディ・ベアはすでに日本でもお馴染みになった熊のぬいぐるみであるが、実は隠された秘話があったのである。
アメリカの歴代大統領のなかでも、特に人気の高い大統領のひとりに、セオドア・ルーズベルトがいる。
実は、このルーズベルト大統領こそ、テディ・ベアの生みの親だったのだ。
「テディ」というのは、「セオドア」の愛称だったのである。
話の発端は狩猟好きなルーズベルト大統領が、あるとき捕まえた小熊があまりに愛らしかったために、森に放してやったことに始まる。
この話を伝え聞いたオモチャ業者が考案したぬいぐるみこそ、あのテディ・ベアだったのだ。
ルーズベルト大統領も抜け目ないもので、テディ・ベアを自分の選挙のシンボルにして人気を呼び、有権者に「親しみやすさ」「愛らしさ」というものを強烈に植え付けることができたのである。
こうしてルーズベルト大統領は、二期八年の長きに渡る大統領生活を無難に勤めあげたのだ。
ビジネスマンの成功にイメージは不可欠だ。
どんなに仕事ができても、「冷たい人」というネガティブなイメージを持たれては、決して出世はできないし、仲間内でつまはじきされることになる。
そこで、自分自身と何か温かみを感じさせるもの(ボールペンでもバッグでもネクタイでもなんでもよい)を結びつける戦略をとるのはどうだろう。
例えば、私が懇意にしているセールスマンのひとりは、「いつも怒ったような」面貌の持ち主なのだが、バッグにつけたカエルのキーホルダーのおかげで救われている。
というのも、彼の面貌におよそ似合わないキーホルダーのカエル君は、いつでもにこにこと微笑んでおり、「こんなキーホルダーをつけている人が、悪人のはずはない」と周りの人が思い込んでくれるようだからである。
つまり、彼にとってカエルのキーホルダーは最高のイメージ戦略になっているわけである。
彼はそのことを知っているのだろうか。
もし知っていてやっているのなら、なかなかの食わせ者ではある。
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